長男は、これまで何度か心の病を経験してきました。
食べられない。
朝起きられない。
体が鉛のように重く感じる。
常に吐き気があり、
好きだったことも手につかなくなる。
何もする気になれない日々。
そんな状態が続き、夕方になると少しだけ持ち直す──。
そんな波を繰り返していました。
入院を勧められたこともあります。
けれど、精神科の入院はどうしても避けたかったのです。
入院を経験した人の話を聞くと、
「普通の病院とは全く違う、とてもつらいものだった」と口をそろえて言います。
報道や本で目にした出来事もあり、
どうしても病院を全面的に信じきれずにいました。
自由がきかないことへの不満。
薬を多用されること。
身体拘束。
人間不信。
もし、私の目の届かないところでそんな扱いを受けたら…。
ただでさえ心が弱っているのに、
一番そばにいた私と会えなくなったら、
長男は何を頼りにすればいいのだろう。
そう思うと、やっぱり手放すことはできませんでした。
辛いときこそ、そばで支えていたいのです。
だからこそ今も、
「安心して任せられる人」に出会えるまでは、
私が長男を抱きしめ続けるしかないと思っています。
けれど同時に、
信頼できる人に出会って、
私から解放してあげたい。
そんな思いも強くあります。
任せられる人や場所を探す旅は、
まだまだ続いていきそうです。


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