大阪のグループホームに入居していた長男が、地元へ戻ってきました。
CGの勉強をするために一人で大阪へ行っていましたが、思うようにいかず、予定より早く帰ってくることになりました。
最低でも1年は、と言っていたのに、7カ月での帰郷です。
正直、少し残念な気持ちもありました。
でも、家を離れて暮らしたことは、彼にとっても、そして私にとっても貴重な時間だったと思います。
私は、長男と離れて過ごすのが初めてで、心配ばかりしていました。
けれど、久しぶりに「自分の時間」というものを持てたことも確かです。
静かな家の中で、これからの自分の人生のことを考えたり、母の入院・退院をしっかり支えることができたり――
長男がいなかったからこそできたことも、たくさんありました。
あの7カ月は、私にとっても「学びの時間」だったのかもしれません。
そして今、長男との生活が再び始まりました。
田舎の暮らしでは、車がないと動けません。
私はまた長男の「運転手」となり、
食事の支度、洗濯、片づけ――すべてが一気に“フルボリューム”に戻りました。
以前のようにチャチャッと済ませる、なんてことはもうできません。
けれど、長男の笑顔を間近で見られる日々は、やはりうれしいものです。
困る前に助けてあげられる。
一緒に買い物へ行ける。
ふとした時に会話ができる。
そして、必要な時に、抱きしめてあげられる。
たしかに自由は減りました。
けれど、今はそれ以上に「そばにいられる安心」の方が大きいように思います。
〈あとがき〉
子どもが遠くへ行き、そしてまた帰ってくる――
それは、親にとって一つの区切りでもあり、
“少しだけ未来を覗く”時間でもありました。
離れてみて気づいたのは、
どんなに心配でも、子どもは子どものペースで歩んでいくということ。
そして、親もまた、自分の人生をどう生きるかを見つめ直す時間が必要だということ。
今はまた、にぎやかな毎日。
でもこの生活の中に、ほんの少し“あの静かな時間”の感覚を残して、
私もゆっくり歩いていきたいと思います。

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