長男が3歳のとき、発達障害と診断されました。
療育とあわせて「発達に良さそうなものを」と思い、スイミングと乗馬をさせることにしました。
スイミングを始めたきっかけは、シャンプー嫌い。
顔にお湯がかかると大泣きで、お風呂は毎回大騒ぎ。
父親が「♪モヒカ〜ン」と歌いながら洗っても、泣きやまず…。
「水に慣れさせてあげたい」と思ったのです。
ちょうどスイミングスクールに「障害クラス」があり、親子で一緒に入れることも後押しになりました。
夫は忙しく、通うのはほとんど私。
たった一時間のレッスンでも、水の中にいるだけで体力は限界。
着替えは別の更衣室なので、何かあったときにすぐ助けられない不安もありました。
たまに夫と一緒に行くと、子どもの頃スイミングをしていた夫は、ついスパルタ気味に。
「もっと長男のペースで」と思う私と違っていましたが、そのおかげで力もつきました。
お風呂もスムーズになり、小学校の水泳授業でも自信につながったようです。
スイミングは中学入学前まで続きました。
乗馬を始めたのは、療育の先生の何気ない一言から。
「乗馬は心にも体にもいい影響がありますよ」
粗大運動も微細運動も苦手で、どこかフラフラしていた長男に「これだ!」と思ったのです。
小1からスタート。最初はグループレッスンでしたが、合わせて動くのが難しく、すぐに個人レッスンへ。
普通は少しずつスピードを上げていくのですが、長男は「上達したい」という欲がなく、いつまでものんびり歩くだけ。
でも、馬の温もりに癒されるのか、セラピー効果は大きかったようです。
それだけで十分、と私は思いました。
3年ほど続けましたが、次男の習い事との兼ね合いや費用のこともあり、やむなく終了。
長男には申し訳なく思いながらも、「楽しかった」「またできたらいいな」と今でも話してくれるのが救いです。
スイミングも乗馬も、本人にとってはよい経験だったはず。
今でも市民プールで泳いだり、乗馬の思い出を楽しそうに語ったりしています。
親にとっては大変なことも多かったけれど、振り返ればかけがえのない時間。
「親子で一緒に取り組めた」その思い出が、今は宝物になっています。
障害があると、習い事を受け入れてもらえる場所はまだ少ないのが現状です。
もっと多くの場で、その子の個性を認めてもらえるようになれば…。
きっと、障害のある子の世界もぐんと広がるのではないでしょうか。


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