今年に入ってから、母はすでに三度の入退院を経験しました。
もともと幻覚があるようでしたが、入退院を繰り返すうちに、その症状が強くなってきたように感じます。
入院中の病室でも、母には怖い人たちがやってきて、いろいろ悪さをしていくのだそうです。
その多くは妹や姪っ子にまつわる出来事で…。
母には実際に見えているからこそ、本当のことなのか幻なのか、区別がつかなくなるようです。
普通ではありえないような怖い場面も、母にとっては「現実」。
どんなに心細く、恐ろしい思いをしているのだろうと思います。
例えばこんなことがありました。
母は「妹と姪っ子が、お見舞いに怖い男たちと一緒にやって来た」と言います。
男たちは妹や姪っ子を傷つけるようで、母は止めに入ることもできず、ただ睨みつけることしかできなかった、と。
もちろん実際には妹も姪っ子も来ていません。けれど、母には本当にあった出来事として映っているのです。
私はそんなとき、できるだけ落ち着いた声で「お母さんにはそう見えているんだと思うよ。でも実際には起きてないから大丈夫」と伝えています。
すると母も「あなたが言うなら幻なんだろう」と少し安心できるようです。
母自身も「現実なのか幻なのか、わからなくなる」と感じているようで、そのことを自覚しているのが救いでもあります。
先日、主治医の先生に相談すると、「レビー小体型認知症の症状が出てきているのかもしれない」と言われました。
診察のときに先生からそれとなく伝わったのか、母の口から「私、認知症なんやって」と聞いたときには胸が締めつけられる思いでした。
パーキンソン病と認知症は関係があるそうで…母が感じている心細さを思うと、私も切なくなります。
一方で、父はまだなかなか受け止めきれず、「そんなものいない!」と強く否定してしまうことがあります。
私は本で学んだ「否定せず、安心させる声かけをすること」を父にお願いしていますが、実際の場面ではつい感情的になってしまうことも多く、心配しています。
だからこそ、私ができるだけ実家に足を運んで、母のそばに寄り添いたい。
幻覚に怯えることなく、少しでも安心して過ごせるように…。
そう願いながら、できることを重ねていきたいと思っています。
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